栃木県社会福祉協議会で講演~テーマは離職防止対策~
2026年06月20日
2026年6月8日(月)、栃木県社会福祉協議会様主催の「福祉・保育人材 採用力UPセミナー」にて、「出口対策(離職防止)」の講義を担当させていただきました。
当日は、高齢者施設・障がい者施設・保育・児童施設など、多様な分野から約35名の皆様にご参加いただきました。
本セミナーは「入口対策(採用)」と「出口対策(定着)」の両輪で人材確保を考える構成となっており、「入口対策(採用)」は、株式会社アーチーズの伊藤沙耶氏が担当。弊社は、「離職防止」に焦点を当てた内容を担当しました。

■ 離職防止は「引き止め」ではなく「辞めたくならない職場づくり」
講義の中で最も強調したポイントは、離職防止は“辞める人を止めること”ではないということです。
大切なのは、「辞めたい」という気持ちが生まれない職場をつくること。
そのためには、現場で起きている離職の要因を正しく捉える必要があります。
■ 福祉・保育現場に共通する離職の背景
研修では、現場で多く見られる離職要因を整理しました。
✅ 人間関係やコミュニケーションの問題
✅ 業務量の多さ・責任の重さ
✅ 賃金や評価への不満
✅ 将来の見通しの不透明さ
✅ 感情労働による心身の疲弊
特に福祉分野は、「感情労働」が避けられない仕事です。
利用者や家族への対応において、自分の感情を抑えながら関わることが求められる場面が多く、それが蓄積されることでストレスやバーンアウトにつながることもあります。

■ 「働きやすさ」の前に「働きにくさ」を解消する
「働きやすい職場づくり」がテーマになりがちですが、実はその前に必要なのは、働きにくさ(不満要因)を取り除くことです。
講義では、フレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg、1923‐2000)の二要因理論をベースに、
✅ 労務管理(制度・環境の整備)=不満を減らす
✅ 人事管理(関わり・育成)=意欲を高める
という2つの視点から整理しました。
■ 現場を変えるのは「日々の関わり」
特に参加者の皆様から反応が大きかったのは、管理職・リーダーの関わりに関する内容です。
例えば、
✅ 「ほめる・認める・感謝する・ねぎらう」を具体的に伝える
✅ 面談の仕組みを活用して職員の声を拾う
✅ 相談しやすい雰囲気を日常からつくる
これらは特別な制度ではなく、日々の関わりの積み重ねです。
そしてこの積み重ねこそが、職場の「当たり前の空気」をつくり、離職に大きな影響を与えます。
■ 「3つの欲求」を満たす職場が定着を生む
まとめとしてお伝えしたのは、クレイトン・アルダファーの提唱したERG理論(Clayton Alderfer)に基づく「3つの欲求」です。
✅ 安全に働ける(存在欲求)
✅ 良好な関係がある(関係欲求)
✅ 成長できる(成長欲求)
この3つが揃うことで、職員は「ここで働き続けたい」と感じるとのこと。
逆にどれか一つでも欠けると、離職のリスクは高まります。
人材不足が深刻化する中、採用(入口)だけでは組織は成り立ちません。
これからは、「入りたい職場」だけでなく、「続けたいと思える職場」をいかに作れるかが
ご参加いただいた皆様、そして企画・運営いただいた栃木県社会福祉協議会様、誠にありがとうございました。
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