目標管理と人事評価は組織と人を守るリスク管理の側面も(人事評価シリーズ30)
2019年07月16日
目標管理や人事評価は、「もっと上を目指そう、発展しよう」とか「できる人を育てる」、「いい人材を確保する」、「スキルを磨こう」のように”上向き”なイメージだったり、できる人や成果を出すことを目的としたイメージが強い制度として捉えられることが多いと思います。ですので、あまり”上”を目指そうと思っていない人にとって、前向きに取り組もうする気持ちにならない制度でもあります。
目標管理や人事評価は、いいことを目指すということの一方で、組織と今いる人材を守るリスクマネジメントでもあると考えます。
企業がうまく経営、運営されている状態の指標として、顧客満足、従業員満足、経営満足という3者の満足が必要であることはよくいわれていることです。
「満足」な状態も必要なのですが、「不満」な状態、「不信」な状態を引き起こしていないかというチェック機能も必要だと思うのです。
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医療や福祉の現場は、国のお金が投入されているため、そのお金が適正に使われているのかというチェックが入ります。適時監査です。厚生局や保健所、労働基準監督署など法令や規則に基づいて、正しく使われているかというチェックです。このチェックは、組織の信頼性や社会的責任を果たしているのかという働きがあります。ですので、適時監査は、人事評価と同様に「法人として適正であるか」の”組織評価”のようなものなのです。
また、利益追求の組織ではありませんが、収益管理と品質管理が計画的に行われていなければ永続的な医療や介護のサービス提供ができません。そうなると、個人の役割を明確した目標管理が必要となってくるわけです。
「法人として適正であるか 」は、一人ひとりの職員が正しい仕事の仕方をしているのかが原点となります。そうなりますと、人事評価制度は、職員一人ひとりが法令や規則、組織の規程に基づいて仕事をしているのかという定期チェックの働きをしていることになります。
また、仕事が適正におこなれていたとしても、職員が心身共に健康な状態であるかという定期チェックも雇用主の責任でもあります。だから、健康診断やストレスチェックという定期チェックが働いています。
顧客(患者や地域)に対しては、不満な状態、不信な状態を引き起こしていないかというチェックは、組織の側から尋ねてみないことにはわかりません。ですので、患者満足度調査や意見箱の設置をして、「私たちの組織は、常に顧客の声に耳を傾けています」という姿勢、態度を表明しているのです。
組織として発展しよう、向上しよう、いい人材になってほしいという一方で、組織として適正な事業を展開しているのかというチェック機能として、目標管理や人事評価は活用されているということも大切な制度の機能であると思います。
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目標管理や人事評価は、
①現在の顧客(患者、地域)を守る
②今働いている従業員を守る
③将来の顧客と従業員を守る
ことにつながっているのではないでしょうか。
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