聖隷福祉事業団 聖隷リハビリテーション学会で基調講演‐活動報告55
2023年10月01日
去る9月17日(日)、浜松市のアクトシティ浜松にて、聖隷リハビリテーション学会で講演してまいりました。

リアル開催はコロナ禍以来とのことで、全国の聖隷福祉事業団のセラピストの皆様が参加されていました。
今回の学会のテーマは、「障子をあけてみよ、外は広いぞ」。
今よりも、もっと、外を見ることで視野を広げよう、キャリアの幅を広げることで、成長!ですね🎵
私の講演のテーマは、「管理職とスタッフ双方の立場から考える働き方支援」。

まあまあ、難しいテーマで、当日の講演資料も直前まで追加修正しながら💦

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今回のテーマで、お伝えしたのは、次のこと。
✅ 働き方の選択は自己責任であること
✅ だからこそ、選択できるだけの選択肢をできるときに、
自分の旬なときに増やしておく大切さ
✅ 専門職として、自己啓発だけではなく、チームから学ぶこともある
✅ 先輩が後輩に教える成長だけではなく、先輩も後輩から学ぶことも
そして、「いつか来た道、いずれ行く道」ということばで締めました。
このことばは、以前尊敬する先生から教えてもらったことばでした。
ネットで調べると、誰が言ったのかはわからないようですが、まあまあ有名なことばのようです。
先輩たちへ、「今の若い人たちって・・・」というよく聞くフレーズがありますが、自分たちもそういう時代がありましたよね・・・
若い方たちへ、「とろいな~、早くやってほしいんだけど・・・」のように年を重ねると動作や処理が遅くなったり、忘れることもあったりしますが、自分もいずれそうなることがある・・・

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管理職もスタッフもお互いに高めあう、学びあうことが伝わればいいなぁ~と思いながら、講演を終えることができました。
この度の基調講演のご依頼をいただきました聖隷福祉事業団のリハビリテーション部門の皆様には、心より感謝とお礼を申し上げます。
上尾医科中央グループでの研修の様子-活動報告52
2023年05月14日
昨年度、埼玉県上尾市に本部を置く上尾医科中央グループ(以下、AMGグループ)での係長以上研修の様子を、グループ職員向け広報しに掲載していただきました。

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昨年度は、6月に「人事評価の基礎」、11月に「評価結果のフィードバック」についてお伝えいたしました。
人事評価制度は、どの組織でも必ず課題があります。また、課題はなくなることがなく、常に評価者(管理職)はその課題を解決し続ける必要があります。なぜならば、人事評価は、人材の育成やチーム運営の定期点検の役割があるからです。
6月は、評価者としての役割や人事評価の基礎知識、評価が高い人や低い人への対応についてお伝えしました。
11月は、評価結果を効果的にフィードバックするため、面談のすすめ方やモチベーション管理をお伝えしました。
今回の広報誌では、11月の様子とご受講された皆様からのご感想、ご意見をいただきました。

肯定のご回答を多数いただき、講義した側の立場として大変嬉しく思うとともに、私自身も皆様のお役に立てるようさらにブラッシュアップしてまいりたいと思います。
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今年度も引き続き、『管理職の仕事のやりがいについて考える』をテーマにご依頼いただきました。

管理職をやりたくないという考えが増えつつある中、管理職になったからこそ経験できる醍醐味をお伝えできるよう準備を進めております。
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昨年度の研修実施にあたり、人材開発室の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました!
「普通」って何だろう…~自分基準と相手基準~
2023年02月04日
今回のブログもテレビネタからです📺
元々、テレビドラマが大好きなのですが、今クールのテレビドラマに結構、はまっています。
その1つが、『リエゾン』(テレビ朝日系列)です。
子どもの発達障害専門クリニックを舞台に、さまざまな発達障害の子どもたちへの関わりだったり、子どもの気持ち、その親の気持ちなどを通じて、発達障害を上手にそれぞれが受け入れていく様子を描いているドラマです。
クリニックでは、発達障害のことを「凸凹(でこぼこ)」という表現をしています。
発達障害をもつ人たちの「生きづらさ」を「凸凹らしい生きやすさ」に考え方を変えていくことが描かれています。
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昨日の『リエゾン』では、小学校入学を控えた子どもの発達障害を親が受け入れられず、親がその状況に苦悩するというテーマでした。
どうしても普通学級に入れたい母親と、現実からすると支援学級のほうが子どもにとってよいという葛藤です。
ドラマ終盤で、母親が「普通って何だろう」とつぶやきました。
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「普通」って何だろう・・・🤔
私たちがよく使ってしまうことばである「普通」。
✅ 普通、知ってるよね
✅ 普通、できるでしょ、それぐらい・・・
結構、ことばにしていたり、そう思うことはないですか。
勝手に自分が「普通」という基準を決めていて、その基準を相手に押し付けてしまっているのではないかと思いました。

そう考えると、似たような意味合いでは、「当たり前」、「常識的に」もそうかもしれません。
ドラマに重ねてみると、職場での後輩指導でも同じようなことが考えられるのかもしれないと思いました。
ドラマでは、「生きづらさ」ですが、職場では「居ずらさ」になります。いずれ、離職につながりかねません。
例えば、後輩に指導するとき、「普通は・・・」ということばを使ったり、「〇〇年も経験しているんだから、それぐらい当たり前にできることでしょ」というスタンスで後輩に接していると、後輩に自分の基準を押し付けてしまっていることになり、後輩は、できない自分を責めたり、どう対処してよいかわからなくなる・・・。そして、この職場にはいたくなくなる・・・、つまり「居ずらさ」=離職につながりかねないのかなと思いました。
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昨日の『リエゾン』を観て感じたこと。
個人の成長を促すならば、「普通は・・・」という自分の勝手な基準ではなく、「後輩にどうなってほしいのか基準」で接するスタンスのほうが、成長につながるよなぁ・・・と思った次第です。
「普通」って何だろう・・・。
自分の「普通」と相手の「普通」は違う。その認識を改めて考える機会になりました。
次回も楽しみなドラマです。
長野県看護協会 認定管理者(セカンドレベル)にて人材管理Ⅱを講義‐活動報告48
2022年06月04日
先日、長野県看護協会にて、認定管理者セカンドレベルの人材管理の講義を担当いたしました。
1日半の9時間の講義。受講者全員が対面で講義を受けてくださいました。

「人材管理Ⅱ」の講義は複数の講師が担当しています。それぞれの得意分野の知識、経験値から講義しているようです。また、看護師ではない講師が講義をすることも少ないようですので、次のことをお伝えいたしました。
✅ 自分が人事課長になったら・・・というつもりで講義をご受講いただきたい
✅ 人事の知識を学んで、人事担当者に”モノが言える”看護管理者になってほしい
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そして、具体的な講義内容は、次のとおりでした。
✅ 人材管理(人的資源管理)とは何か・・・を掘り下げる
✅ 人材管理と組織運営(両輪で動かす)
✅ 人事管理と労務管理
✅ 募集・採用
✅ 配置・異動
✅ 格付け制度(等級制度)とラダー
✅ 人事評価とフィードバック
✅ 目標管理と個人目標設定アドバイス
✅ 報酬管理(給与制度)
✅ 労働時間管理とタイムマネジメント
✅ 能力開発(教育体系と研修効果)
✅ 多様な働き方(ヘルシーワークプレイス)
と、盛りだくさん💦
それにも関わらず、44名の受講者の皆さんは、積極的に講義に参加してくださいました。
長野県看護協会の皆さま、ご受講者の皆さま、お世話になりました。
ありがとうございました❣
新入職員を迎えるためにできること【最終回】~親しまれるための信頼関係を築くために~
2022年04月29日
ゴールデンウィーク突入ですね。
今朝から報道番組を観ていると、3年ぶりの空港混雑、高速渋滞…の映像。ようやくwithコロナで以前の日常になってきたのかと少し嬉しく思いました。
一方で、医療現場の方々はまだまだ食事や旅行などが制限されていることも事実。その点をしっかりと私たちは認識して行動したいと思います。
さて、「新入職員を迎えるためにできること」をテーマに
第1回:新入職員と自分は何が違うのか
第2回:無意識な苦手意識が新人を遠ざける
第3回:新入職員の気持ちを知る
を伝えてきました。
最終回は、世代の違う新人さんとどのように信頼関係を築き、お互いに話しやすい、相談しやすい関係になれるかをお伝えいたします。
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先日、「ERG理論」というのを学びました。
1972年に、クレイトン・アルダファー(Clayton Alderfer)が提唱したモチベーション理論です。
アルダファーは、働く上で何が満たされるとモチベーションがあがるのか、約60項目の質問をした結果、3つの欲求をカテゴリー化しました。
✅「存在欲求」(Existence)
物質的・生理的な欲求をすべて含み、賃金や労働条件、働きやすさなどすべてに対する欲求。
✅「関係性欲求」(Relatedness)
自分に重要な人たち(家族・友人・上司・部下など)との関係を良好に保ちたいという欲求。
✅「成長欲求」(Growth)
自分の成長、成長につながる環境への欲求で、これが充足されれば、人としての充実感が得られるとされる。

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新人さんの場合、自分が考える働きたい職場と入職した職場とで、労働条件等が一致していたから、その職場を選択し、入職したと考えると、「存在欲求」は現時点では満たされていることになると考えられます。
そうなると、親しみやすい信頼関係を築く第1歩として、新人さんへの「関係性欲求」と「成長欲求」を満たすことなのではないでしょうか。
「関係性欲求」を満たすために、具体的にできることとして、
✅ 新人さんが相談したいとき、相談しやすい環境にしているか
⇒「いつでも相談してね」というものの、声をかけにくい態度、表情をしていたら、相談したくてもできないですよね。
✅ 話しやすい環境にしているか
⇒ 仕事を教えたとき、「質問ありますか?」と問いかけることが多いと思いますが、そもそも質問すら思い浮かばないのが新人さん。
「気が付いたこと、気を付けたいこととかありますか」だと話しやすいかも。
「成長欲求」を満たすために、具体的にできることとして、
✅ 仕事をちゃんと教えてくれる教育担当者がいるか
⇒ 更に、教育担当者もちゃんと育てているか(教えることを丸投げしていないか)
✅ 段階的に成長できるような教育プランがあるか
⇒ 付け焼刃的な育成ではなく、3年後、5年後にどのようなことができるようになれるのかを可視化して、伝えられるか

絵:豊原 亮子
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新人さんとの信頼関係は、ただ仲良く話ができるではありません。
新人さんが、「この職場で成長したい」、「この職場でいい関係性を作って、働きやすい環境がほしい」という欲求に対して、「仕事がちゃんとできる職場」を作り、「ここで働き続けたい」というモチベーションを上げられる職場を作りたいものです。
そのためにも、「関係性欲求」「成長欲求」の具体的な行動をとって、新人さんの反応をみてみませんか?
4月も明日で終わり。
新人さんも、GW明けから、本格的に仕事も教えられるようになると思います。
頑張れ新人さん!
新入職員を迎えるためにできること③~新入職員の気持ちを知る~
2022年04月10日
新年度が始まりました。日本どの組織も新人さんをいよいよ迎え入れましたね。
毎日元気に出勤してきていますか。
「新入職員を迎えるためにできること」をテーマに、
第1回 「新入職員と自分は何が違うのか」
第2回 「無意識な苦手意識が新人を遠ざける」を書いてきました。
第3回は、「新入職員の気持ちを知る」です。
昨年度、ある病院で新人さんの定期的に面談をする機会がありました。
そこで思ったことが、世代の違いがどうこうではなく、こういうことを気にしていたんだ…ということを知りました。
私たちは、経験があって、それがベースで職場を捉えがちですが、新人さんは配属先はこれまでの環境からすると「アウェー」。
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面談から、改めて知ったことは、私たちは「そんなことで傷ついちゃうの?」の感覚の違いです。
その違いを、私たちの感覚に引き寄せるのではなく、私たちがその気持ちを知ろうとする歩み寄りです。
こんな事例がありました。 こういうことがあると、辞めたい気持ちになった…そうです。
✅ 「声が小さいよ」と注意されたとき
✅ インシデントが続き、自分は「選択した職種」(看護師他の国家資格の職種です)に向いていないと考え続けたとき
✅ 同期は夜勤に入っているのに、私はまだ入れていない(看護師事例)
✅ ある仕事ができなくて、何度も教えてもらったとき

このような新人さんの気持ちを聞くと、「え~~、そんなことでぇ~」と思う方が大半かと思います。
しかし、それが現実であることも然り。
そして、このような新人さんの声を聴いたときにやってはいけないこと。
「私が新人の時はそんなことまでやってくれていなかった」・・・ですよね。
そもそそも、自分たちが育成してもらった環境は日々変化しています。そのことは、本ブログの第1回のとおりです。
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では、新人さんがどんな気持ちでいるのか・・・。
実は、とても先輩や周りの方たちに気を遣っています。
こんなことを話してくれました。
✅ 自分がいることで迷惑をかけている
✅ 手間がかかって申し訳ない
✅ 少しでもできないことがあると自信がなくなる、職に向いていないと思い込む
✅ 不安や心配なことを職場で相談できない
✅ 仕事のことで質問したいが、声をかけられない
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こういう気持ちがあるから、周りや教育担当者に話しかけにくくなっている事実を知っていただきたいと思います。
次回「新入職員を迎え入れるために」最終回は、上記のことをどうすればいいか…です!
新入職員を迎えるためにできること〜その② 無意識な苦手意識が新人を遠ざける~
2022年03月16日
あと2週間もすると、新入職員さんたちの入職日ですね。
第1回の「新入職員と自分は何が違うのか」に続き、今回のテーマは、「無意識な苦手意識が新人を遠ざける」です。
私たちは無意識のうちに、「自分と合わなそう…」と思う人に対して、「苦手だなぁ」、「話しかけにくいなぁ」などのような気持ちが働き、その意識は、相手に対して、言動となって表れていないでしょうか。
最近のご相談で多いのが、世代間ギャップコミュニケーション。
✅年の離れたスタッフに対して、どのように接すればよいのか悩んでいる。
✅最近は、コロナで飲み会もなくなり、ますますコミュニケーションが取りづらくなっている。
✅そもそも飲み会があったとして、最近の若い人たちは付き合いが悪く、誘っても参加してくれない。
しまいには、「最近の若い人は何を考えているのか、わからない」で結論付けてしまっています。

こういうことを言葉に出している時の表情を思い浮かべてみてください。明らかに「笑顔」ではないはずです。
そう考えると、実は私たちは、「世代が違うと合わない」という先入観で、新人さんたちに苦手意識を持ってしまっているのではないかと思うのです。
その苦手意識が、新人さんに対して、表情や話し方に表れてしまい、その様子から新人さんはなんとなく察して、先輩は上司とのコミュニケーションを取りにくくなってしまっているのではないでしょうか。
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次の図を見てください。

苦手意識から、相手に対してよくない話し方や表情だったりすると、それを受け取った新人さんも徐々に不安になり、その不安な表情を見たら余計に話しかけにくくなった…という「コミュニケーションの負のスパイラル」に陥ってしまう可能性があります。
では、次の図を見てください。

反対に、苦手意識はあるものの、表情や話し方を変えるだけで、それを受け取った新人さんも明るい表情で返事が返ってきて、「若い人は苦手」という苦手意識が少しずつ薄らいでいく可能性があります。
これは、行動分析学で有名な杉山尚子氏(星槎大学大学院教授)の「好子(こうし)出現による強化」(※)と言えるでしょう。
※ ご興味がある方は、「行動分析学入門」(集英社新書)をお読みになるとよいかもです。
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当たり前のことなのかもしれませんが、私たちは、自分のことを認めてくれたり、ほめてくれたり、要は「自分を受け入れてくれている」と感じると、その相手に対して好意的な気持ちになります。
その結果、話しかけやすくなったり、近づきたくなったりします。
反対に、自分のことを否定したり、批判したり、無視したり、他のメンバーに比べると自分への対応がよくないなどを感じると、その人から遠ざかりたいという気持ちになります。
だからこそ、「今の若い人は…」の先入観からくる苦手意識を少しでもなくすためには、行動を変えること(笑顔、明るい話し方、ほめる、認める、共感するなど相手に寄り添う行動)をしてみてください。
また、あきらめずに新人さんの表情、態度の変化を観察してみてください。
きっと、やり続けていると少しでも新人さんの変化が見えてくると思います!
その変化を見ると、ますます話しかけやすくなり、コミュニケーションの好循環が生まれてくると思います。
新入職員を迎えるためにできること〜その① 新入職員と自分は何が違うのか~
2022年02月23日
先日、栃木県看護協会宇都宮支部にて管理者向けの研修で講義をしてまいりました。
テーマは、「新入職員を迎えるにあたり管理者がおさえておきたいこと」です。
コロナ禍で学生のときに実習ができず、現場を見ることなく入職してきた新人さん。お昼を食べるときも「黙食」しなければならず、”おしゃべり”ができないためプライベート情報のやりとりができない、飲みに行けないなど、コミュニケーション不足だったり、新人を知ることができなかったりで、以前よりも早期離職が増えているそう。
「最近の新人は・・・」と決めつけるのではなく、受け入れる側の心構え、心持ち、体制をどうすればよいのかを考えていただく内容で講義いたしました。
そこで、講義の内容を全4回でお伝えしたいと思います。
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第1回目は、「新入職員と自分は何が違うのか」です。
「今の若い人はねぇ~(とマイナスなイメージで)」や「最近の若い人は何を考えているのかわからない」、「ことばが通じない」など、世代が違う人に対して、私たちはこのようなセリフを言うことが多いと思います。
このことばは、「自分が正しい」「自分の考えが当たり前」が根底にあるように感じます。しかし、それは本当に正しい、当たり前なのでしょうか。自分の当たり前という考えは、他者にとって当たり前といえるのでしょうか。

自分が正しいとか、当たり前と思っていることは、これまで置かれてきた環境、経験等の積み重ねから形成されます。人それぞれ、それは違うわけですから、「正しい、当たり前」は当然、人それぞれ違うわけです。
新人さんと私たちは、置かれてきた環境では、次のことが違うのです。
◇育った家庭環境の違い
✅ どのようなしつけをされてきたのか
✅ どのように常識を教えられてきたのか
◇年代の違いによる教育環境の違い
✅ ゆとり教育
✅ 思考力を高める教育
◇置かれた社会環境の違い
✅ 日本経済状況と発信された情報
✅ 情報を得るツールの発達
◇これまで経験違い
✅ 見てきたこと、きいてきたことの量の違い
✅ 経験から感じた気持ちの種類と量の違い
(楽しい、嬉しい、きつい、辛い、悲しい等)
4月から新人さんを受け入れるにあたり、私たちと新人さんとではこれだけの違いがあることをまずは認識することが重要かと思われます。
違う環境で育ってきたから、もちろん共通言語も異なります。同じ日本語ではありますが、言葉の捉え方は置かれてきた環境から理解しています。「ことばが通じない」ではなく、どうしたら伝わるのかの努力は受け入れる側には必要なのではないでしょうか。
そのためにも、これだけの環境と経験の違いがあること、新人さんのこれまでの環境を理解しようとする姿勢が、新人さんとのコミュニケーションをとる第1歩なのではないでしょうか。
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また、私たちは新人さんに対して、「自分の方が経験があるから新人さんよりも当然、仕事ができる」と思っていませんか。
確かに、これまで経験してきたことについては、新人さんはやったことがありませんので、できるはずがありません。その点でいうと、私たちの方ができます。しかし、その仕事のやり方は本当に最適なやり方なのでしょうか。
もしかしたら、新人さんにやらせてみたら、もっといい方法や手段を持っているかもしれません。例えば、未だに手書きの書類は、「タブレットを使って手書きの書類を取り込んで、タブレットで書き込んだ方が早いですよ…」とサラッと言うかもしれません。

そう考えると、新入職員を迎え入れる姿勢として、次のことを考えてみてはいかがでしょうか。
✅ 職員の育った社会環境、教育環境を知る
✅「そんなことも知らない」は、そもそも教えられていない
教えれば、それで済むこと
⇒ 家庭環境の違いで教えられていること、そうでないことがありますね。
✅ 自分よりも優れたスキルを持っていることもある
✅ これまでのやり方は、必ずしも最適とは限らない
✅ 新入職員から学ぶ、新入職員のスキルを取り入れる
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いかがでしたでしょうか。
新人さんと私たちはどちらが上の立場、下の立場ということではなく、お互いがわかりあう努力をすること。しかし、新人さんは、経験が少ないですから、経験のある私たちが分かり合えるアプローチを先手を打ってしかけていくことが大切なのではないでしょうか。
「クレーム」ということばの捉え方
2021年11月11日
皆さんは、「クレーム」ということばに対して、プラスのイメージでしょうか。マイナスのイメージでしょうか。
おそらく、マイナスのイメージを持っている方が多いと思われます。
「クレーマー」というとさらに悪いイメージのことばになってしまいます。
「クレーム」は、「いちゃもんつけられた」とか「文句をつけられた」という理解で捉えられているからです。要は、理不尽なことを言われたという解釈です。
しかし、すべての「クレーム」がそうなのでしょうか。

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クレームには、2種類の解釈があると思います。
1つは、悪い意味でのクレームです。まさに「いちゃもんつけられる」、「文句をつけられる」、「事実ではないことを言われる」などの理不尽な内容のクレームです。
これについては、各病院、施設での悪質なクレーマーに対する対応マニュアルと対応訓練をしておく必要があります。最悪、「訴えてやる!」というような事態に発展しかねません。
悪い意味でのクレームは、①冷静かつ毅然とした態度、②複数のスタッフで聴く、③相手が最後まで話終えてから、話すが基本です。
もう1つは、正しい意味のクレームです。そもそも、「クレーム」は英語で「claim」と表記され、「要望する」、「要求する」、「主張する」などで訳されています。
この解釈ですと、「こうしてほしい」という患者さん、利用者さんや家族からの希望や要望となります。しかし、現場で仕事をしていると、「こちらがこんなに一生懸命にやっているのに」という前提があり、それに対してさらに要望を言われてしまうことにより、「文句をつけられた」というように捉えてしまうのです。
その「要望」を冷静に考えてみると、実はとても理にかなった要望、つまり「クレーム」だったりします。
では、正しい意味でのクレームにはどのようなものがあるのでしょうか。
例えば・・・
✅ 「○○したほうがいいと思います」というような提案型のクレーム
✅ 話す態度が冷静で、話の内容が具体的であるクレーム
✅ 職員の言葉遣いや態度に関するクレーム
(接遇マナーは相手を不快にさせないことという視点から)
正しい意味でのクレームは、職場にいる自分たちでは気付かない(内側からは見えない)サービス提供での課題(問題)なのです。
サービスを提供する側としてはよかれと思ってやっていることが、顧客からするとそれほどよくない、もしくは不快であるということもあるのです。それを教えてくれるのが正しい意味での「クレーム」なのです。

誰でもクレームを言われると、一瞬「カチン」とくるものです。それは前述のとおり、「一生懸命やっている」からです。
しかし、言われる側も冷静に、何が違っているのかを受け止め、解決することで「私の要望を聴いてくれて解決してくれた」という満足度につながる可能性が大なのです。
また、正しい意味でのクレームを言われるということは、「きっとこの人に言えば解決してくれる」という期待も込められています。正しい意味でのクレームだからこそ、理解してくれると思う人に言うのではないでしょうか。
「クレーム」のことばの捉え方で、職場では気付かない課題が発見できるかもしれませんね。
院内・施設内研修プログラムのご案内
2021年10月25日
株式会社エイトドアでは、院内・施設内での研修をオンラインで実施しています。




新型コロナ感染拡大防止の観点から、院内・施設内研修は対面実施が難しい状況は今なお続いています。
しかし、教育は止めてしまうと、将来の病院・施設の財産である「人材」づくりが停止してしまいます。
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弊社では、上記の研修を
✅ オンライン研修のすすめ方がわからない
✅ オンライン研修で実施しても効果が見込めないのでは…
✅ 初めてなので、どうにもこうにも…
という病院、施設の皆様に対して、丁寧に進め方等も含めて実施しております。
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実際のお声として、
◎ 対面の研修と全く変わらなく、オンライン研修もよいと思った。
◎ 施設間移動がなく、自分の施設内で受講でき、時間効率がよい。
◎ オンラインの方が講師に気軽に話しかけたり、チャット機能で意見が言えたりするので、充実した研修になった。
◎ 一方的に講義を聴くのではなく、指名されて応えることで、双方向の研修でよいと思った。
等々のご意見をいただいております。
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教育を止めることは、人を育てることを止めること…
実施しないかもしれませんが…ということでも、お問合せくださいませ。
お問合せはこちらから ⇒ info@8-door.jp